ナイキとアディダス
ナイキとアディダスのブランド戦略について思ったことがあるのですが、
今日、ふと目にした記事をきっかけに、また少し考えてみました。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2507/22/news013.html
ナイキはパリ五輪に向けたキャンペーンでも、
「勝ちたくて、何が悪い。」や
国籍を持たないアスリートを支援するなど、
クールさや、社会的なメッセージを発信するスタンスは今も健在です。
https://www.youtube.com/watch?v=LW3mQXoCAXU
一方で、ナイキの勢いにやや陰りが見えるのも事実。
記事によれば、直営・卸売ともに前年割れとなり、SNKRSをはじめとしたD2C体制の強化は続いているものの、直営売上の減少も見られます。
「進化」というよりも、「拡充はしてきたが、成果には一部揺らぎもある」といった状況で、どこか今の空気感とのズレを感じさせる場面もあるのかもしれません。
ここ数年は、ガゼルやサンバのような控えめでノスタルジックなアディダスのモデルが再評価され、レトロやクラシックなスタイルがトレンドに。
ナイキもファッション寄りの展開をしていますが、力強さやテック感を備えた“ナイキらしさ”が全体のベースにある印象です。
また近年では、タイガー・ウッズやアリソン・フェリックスなど、象徴的なアスリートとの契約終了も続いています。
コスト面や支援対象の見直しに加え、アスリート自身が“誰と組むか”を主体的に選ぶ時代になっていることも一因かもしれません。
記事にあるような“原点復帰”があるのか、ナイキがこれからどんな“らしさ”を示してくれるのか。
独自の視点でどんな社会的メッセージを発信していくのか。引き続き注目したいと思います。
そしてもう一つ、強く感じているのは、ブランドのあり方だけでなく、それを受け取る側の意識もまた、大きく変わりつつあるということ。
アスリートも、ユーザーも、いまや“選ばれる側”から“選ぶ側”へ。
もちろん、ユーザーは昔からブランドを“選んで”きましたが、今はその意味合いが大きく変わっています。
「何を買うか」だけでなく、「誰と付き合うか」「どんな価値観に共感するか」を選ぶ時代。
その変化は、Z世代のブランド観や、多様な価値観が交差する現代を象徴しているのかもしれません。