2012.07.31

中学生ゴルファーたちの初・海外遠征奮闘記

20120731_01連日ニュースを賑わわせるロンドンオリンピック。その華々しい開幕と時を同じくして、女子ゴルフの「エビアンマスターズ」がミネラルウォーターで知られるフランスのエビアンで開催されました。エビアンマスターズはUSLPGAとLET(欧州女子ツアー)の共催試合で、宮里藍選手が2回優勝していることでも知られています。設営物や印刷物、お土産のグッズもビビッドなピンクのテーマカラーで統一されたおしゃれな雰囲気のトーナメントです。今年はパク・インビー選手の優勝で幕を閉じましたが、大会後はすぐにコース改修に入り、来年はメジャー大会のステージとして一層華やかに生まれ変わります。20120731_02エビアンマスターズの前哨戦として、前週に開催されたジュニアカップの日本チームに同行してきました。世界15カ国が集結し、個人戦と国別の団体戦で争われる2日間競技で、数年前には川村昌弘選手や青木瀬令奈選手など現在プロとして活躍する選手も出場した大会です。5月に宍戸ヒルズCCで開催されたロレックス ジュニア ゴルフ チャンピオンシップで上位入賞し、日本代表として選ばれた中2〜中3の選手4人は皆国際試合が初めて。コースの距離は短いものの、プロトーナメント仕様の高速グリーンに選手たちは手を焼き、慣れない外国選手とのラウンドに本来の力を存分に発揮できないまま競技日程が終了しました。20120731_03今回の日本選手は、好奇心旺盛な女の子2人と、人見知りがちな男の子2人。将来はプロを目指し、大人顔負けのゴルフをする選手たちも、その素顔は等身大の14歳です。普段中学生と接する機会のない私は、スマートフォンも使いこなす今どきの中学生とどのような話をするのだろうと、自分の中学時代の感覚を思い起こしながら思案していましたが、一緒に行動するうちに中学生ならではの側面も見えてきて、面白い経験でした。20120731_04選手たちがまず戸惑ったのは会話でした。中学で英語は習っているものの、いざ使う場面になるとほとんど話せないのが現実です。「よろしくお願いします」や「お疲れ様です」など、プレー中の頻出用語でも英語の直訳にはない言い回しがあることに首を傾げたり、国によって発音の違う英語の聞き取りに苦労したりと、彼らはそろって英語力の必要性を痛感していました。暫定球を意味する”provisional ball”はしっかり覚えたようです。そもそも、外国人と接する事自体が彼らにとっては非日常な経験で、15カ国から同年代が集まる光景はとても目新しいものです。かっこいい他国の選手を見つけてときめいたり、一緒に写真を撮ることを試みたりする点で、女の子たちはシャイな男の子たちよりも大会の雰囲気を楽しむことに長けていました。それにしても英語が少しでも話せていたら憧れのかっこいい選手と会話ができたのに!なんて老婆心ながら思ってしまいましたが・・・。20120731_05空き時間の地元のスーパーでの買い物も新鮮な経験で、日本にはない変わった商品を買って楽しんでいました。また、クラスメイトや周囲の人々からがんばれと送り出されたようで、お返しにとお土産のお菓子を大量に買い込むことも忘れません。食事は基本的にはクラブハウスで出されますが、当然ナイフとフォークで食べるものばかりです。ビュッフェで色々な種類のチーズを試す子がいるかと思えば、変わった料理には手をつけない保守的な子も。日本食が恋しくなると日本から大量に持参したカップラーメンやインスタントのご飯やお味噌汁で凌いでいました。連れて行った中華料理店で出された料理の味付けには少しほっとしたようで、お箸が進んでいました。20120731_06表彰式の後、試合を終えリラックスしたムードの中、クラブハウスで食事が提供されました。誰かがテーブルマットの紙を飛行機に折って他チームに投げ始めた事を発端に、テーブル間で紙飛行機の飛ばし合戦がスタート。ちょっとお行儀が悪いながらも他国との交流に一役買ったお遊びとなりました。その後DJブースが設けられ、クラブハウスがClub仕様になるのはこの大会ならでは。試合も終わり、スペイン人やアメリカ人は自然に輪の中心に入っていき、踊りもこなれていますが、日本の中学生たちにとってはこういう場でダンスをするのも初めての経験。私自身も海外在住の高校時代に、同級生の天性のダンスのうまさに圧倒されたことがあり、日本の女の子たちの戸惑いに共感しつつも、ダンスに加わる勇気を心から応援してしまいました。日本男子コンビはダンスの誘いからは逃げ回りながらも、次第にインド人チームの男の子たちと打ち解けていました。英語が話せないながらも仲良くなってしまうのは14歳という年齢がなせる技でしょうか。20120731_07 20120731_08数日の滞在を経てインターナショナルな雰囲気にようやく慣れはじめたところで帰国の途につくことになりましたが、選手たちにとって試合の結果はほろ苦くも、経験としては国際舞台への大きな一歩になったのではないかと思います。

彼らがプロとして日本のゴルフ界を背負って立つ時代はすぐそこまできています。がんばれ中学生ゴルファーたち!!

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