2018.05.16

「飛距離」を考えるプロジェクト

“ゴルフの最大とも言える醍醐味はボールをいかに遠くまで飛ばすかにある。”
これに異論を唱える人はほとんどいないでしょう。
毎年新しく発売されるクラブやボールのキャッチコピーには例外なく「飛び」という単語が強調されていることがこれを証明しています。

5月15日、ゴルフ界の総本山R&AとUSGAが「Global Distance Insights Project」を立ち上げ、同時に両組織のサイトには特設ページが用意されました。

R&AとUSGAが同時に何らかの発表を行う時はルール改定などの重要な事柄に関する発表が多いので、リリースを読んでみると以下のようなものでした。
『両組織は、近年著しく伸長し続けているゴルフの「飛距離」とその影響について、2018年内にゴルフに関わる多方面の人や組織から世界規模で広く意見・見識を募り、また第三者による調査やデータ分析を実施し、2019年中にレポートを発表する。”ゴルフに関わる人や組織” には、「プロ/アマを問わずゴルフをプレーする人」「世界各地域のプロゴルフツアー機構」「ゴルフコースのオーナーやその運営者」「ゴルフ用具メーカー」「ゴルフコース設計者」「コース維持に携わる人」などが含まれる。』

USGAの特設ページで公開されたビデオでは「7,000ヤードを歩くには6,000ヤードを歩くよりも時間が掛かりますよね。コースをどんどん拡張すると、それを維持するためにどれだけ余計に水が必要になるでしょうか。」と問題提起をしています。

「飛び」についてはかなり以前から競技そのもののみならず、コースの周辺環境までも含めた影響も踏まえて、何らかの歯止めが必要ではないか、という声が年々高まっていました。

かのジャック・ニクラス氏もかねてより声高に警鐘をならし続けていますが、今回R&AとUSGAは、「今まさに、長期的かつ広い観点からその検討をしなければゴルフの将来に危機が訪れかねない。」とまでリリースで表現しました。

さて、私は今年もマスターズのライブ配信に関わり、4日間配信映像のモニターを見続けた所感は、「昔とはMastersの “景色” が変わったなぁ・・」というものでした。選手のボールを打つ場所が昔と違うので、景色が変わって見えるのです。

明らかに「飛び」が影響しているからで、それを話題に一文このブログに書こうか、と思っていた矢先のリリースでした。

ほんの一例ですが、下の2枚の写真を見比べてみてください。

上は1986年のジャック・ニクラス、下は2015年のタイガー・ウッズのそれぞれのティーショット。

同じマスターズ、Augusta Nationalの18番ホールの写真ですが、タイガーの方はティーグラウンドがずーと後方になっているため、景色が違いませんか?
記録によると、この18番のティーグラウンドは2002年に45ヤード後方に移動し、それまで420ヤードだったこのホールの長さは465ヤードとなったそうですが、Par4に変わりはありません。

1986年のニクラスはパーシモン製、正真正銘ウッド(木製)のドライバーと糸巻きボールを使用していますが、その後のメタル製 “ウッド” と多層オール樹脂製ボールの登場が近年「飛び」を飛躍的に伸ばした最大の貢献者、または犯人でしょう。

さらに、トラックマンのような測定器が個人で所有/使用ができるようになり、データに基づいたトレーニングをすることでプレーヤー自身も進化をしているのでしょう。

R&AとUSGAの特設ページでは1980年から2017年までに収集された「飛距離」に関する様々なデータや分析を記述した、大変衝撃的かつ興味深いレポートも閲覧が可能です。

すでに意見募集も始まっています。
ゴルフ好きの方は一度訪問されてみてはいかがでしょうか。

R&A    :https://www.randa.org/News/2018/05/RandA-and-USGA-launch-golfs-global-distance-insights-project

USGA :http://www.usga.org/content/usga/home-page/advancing-the-game/distance-insights.html 

最後に、パーシモン製のドラーバー、私が昔愛用していたもの数本の写真です。
最近「何で金属製のドラーバーやスプーンをウッドと呼ぶのか解らない」という若い方に出くわしたもので。

写真3
比較のために置いた真ん中の黒いクラブは現在使用しているメタルヘッドのクラブですが、ドラーバーではありません。

3番 ”ウッド”(通称スプーン)です。何とヘッドの大きさはパーシモンのドラーバーと同じ!
そこで、現在のドライバーと比べると・・・

写真4
写真5
写真6
・・・・こんなにも違うんです!
今のクラブ、下手でもいかにも飛びそうですよね・・・!?

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2018.04.25

カップケーキATM?

先日のアメリカに滞在した際、アトランタのショッピングモールで何やら派手な“インスタ映え”するお店があり、何かと近づいてみると、「CUPCAKE ATM」とありました。IMG_1456

カップケーキのATM???

全く意味がわかりませんでした。訪れたのが日中だったため、普通に店内でカップケーキが販売されていたのですが、やはりその横にはATMがありました。

よくわからなさすぎて結局試してみるまでは至らなかったのですが、調べてみると、やはり銀行のATMのようにタッチパネルで操作し、カップケーキが購入できるマシーンのようです。

このお店の名前は「Sprinkles Cupcake ATM」というようで、創業は2012年とそれほど新しいわけではなく、ロサンゼルスのビバリーヒルズで1店舗目をオープンさせ、今や全米の様々な場所に店舗が展開されるまでにビジネスが拡大しているようです。何やら創業者がカップケーキの素晴らしさを伝えるため、24時間カップケーキが購入できるようにしたいということでこれを思いついたようですが、何ともアイデアが斬新で、日本に上陸したら間違いなく行列ができそうなお店でした。

肝心のカップケーキはしっかりカップに収まった、フレッシュなものが出てくるようですので、次回アメリカに滞在する際にはぜひ試してみてみようと思っています。

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2018.04.18

オーガスタ・ナショナルと言えば

ここ数年は現地での業務のため、毎年4月の前半はマスターズが開催されるアメリカのジョージア州オーガスタに滞在しておりますが、改めて開催コースである“オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブと言えば”を私なりに紹介してみたいと思います。


「芝」

まずはメンテナンスが行き届き綺麗に整えられた芝です。特にマスターズウィーク1日目となる月曜日は見た目だけでなく、フカフカした“踏み心地”も「これが世界最高峰のゴルフコースか」と思わせる印象的なものです。

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「傾斜」

オーガスタ・ナショナルを訪れた方に感想をお聞きすると、よく聞きするのが「あんなにアップダウンのあるコースだと思わなかった」というものです。テレビ画面ではなかなか伝えるのが難しい勾配は、1番ホールから徐々に徐々に下っていき、9番ホールで同じ位置まで登り、10番ホールから再び下っていくという流れなのですが、数ホール歩いただけでも結構体力を要する傾斜があります。

それはグリーン周りやグリーン上でも同じで、ただでさえ硬いと言われるグリーンのスピードに加え、この傾斜を間近で見ると、ここでバーディーやイーグルと取っていく世界トップゴルファーの凄さを改めて感じざるをえません。

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「見晴らしの良さ」

コース間の木があまり多くなく、生えている木も枝や葉が高い位置からしかないので、隣のホールやその先のホールの様子が伺える見晴らし良さがあります。観戦者の目線で見ると、隣のホールが見えると「じゃああっちも行ってみよう」と好奇心をそそられるため、ゴルフ観戦をより能動的にさせてくれるコースだと思います。

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以上、これらはオーガスタ・ナショナルが持つたくさんある魅力のほんの一部にすぎませんが、マスターズはゴルフという競技だけでなく、そのコースにいるだけでも非常に心地良い気分になる大会で、それらの一端が少しでも伝わればと思いました。

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