2010.03.10

バッテリーの話

20100310この写真を見てこれが車のバッテリーと言える方はかなりの自動車“通”か、自動車関連のお仕事の方です。「通常6セルだが、これは4セルだ!!」とビックリされている方はかなりのオタクです。

これはポルシェ911GT3、911GT3 RS、ボクスタースパイダー向けに最近発表されたオプション・バッテリーなのです。自動車のバッテリーがどこにあるかご存知ない方にはまったく興味がない話かとは思いますが、ちょっとお付き合いください。

通常、自動車のバッテリーは鉛を電極に使ったものだったのですが、今回ポルシェが発表したこの新型バッテリーは携帯電話などに使われるリチウムイオンバッテリーを大きくしたモノで、縦横のサイズは従来と同じサイズながら、高さは約70mmと低く設計され、通常モデル比で10キロも軽い、6キロだそうです。また、通常の鉛バッテリーの場合、セルは2V設定なのですが、今回のバッテリーは3Vにすることで、安定化とセル毎の電気的なモニター等もできる回路も組み込まれたハイテク仕様となっています。

以前の日記「電気自動車」のなかで、電池の容量はAh(アンペア・アワー)で表記されることを書きました。通常のバッテリーは60Ahなのですが、これは12Ahですので容量はちょうど五分の一。大型のバイクでも19Ahぐらいのバッテリーを使っているのでちゃんとスターターが回るのか心配ですが、普通のバッテリーに比べると内部抵抗が少ない点や充電エネルギーを100%使えることなど、リチウムイオンバッテリー特有の性能が自動車用としても十分な性能を発揮するそうです。長寿命である点や、何回も放充電を繰り返えせるとか、自己放電が少ないのでしばらく乗らなくでもバッテリー上がりが少ないなど、よいことばかりのこの電池バッテリーですが、オプション価格はなんと1,904ユーロだそうです。ユーロ安とはいえ23万円也!! 日本のディーラーでは恐らく30万円+のお値段が付くかもしれません。いろいろなメリットがあるとはいえ単純に10キロ車重を軽くするにため23万円の価値は???

こういう電装系のモノは日本のお家芸のはずです。技術面だけでなく、コストも下げた商品を是非開発してもらいたいと思います。通常バッテリーの2倍ぐらいのお値段ならメリットも考えると購入する方は多いと思います。それともダイエットして体重を10キロ落とせば効果は同じかも。

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